バキュームカーについて
バキュームカーとは荷台に吸引機とタンクを備え、屎尿汲み取りや浄化槽清掃などに活躍しているトラックです。衛生車や汲み取り車、糞尿収集車、屎尿収集車などとも呼ばれるバキュームカーは真空ポンプでタンク内を負圧(真空)にし、大気圧との気圧差によってタンク内に流動物を吸引しますが、真空ポンプは走行用エンジンの動力を用いるPTO式が採用されており、吸引用のホースは外圧に耐えらえるように金属コイルやラバー、特殊ペット樹脂などで補強されています。円筒状のタンクを搭載しているものが一般的ですが、最近ではタンクやホースをアルミパネルに収納しているタイプや、吸込み時等に発生する悪臭や悪臭から発生する排ガスを脱臭、削減するための消臭機が備えられているものなど、クリーンで社会環境に調和したバキュームカーも発売されています。
バキュームカーの特徴
バキュームカーはホース、駆動装置、吸入管、リールなどをタンク上部に収納し、タンク内を負圧にするために用いる真空ポンプはエンジンの動力を取り出すPTO(パワーテイクオフ)が採用されています。駆動部に減速機付の特殊なモーターを使用しているものも多く、スムーズなホースの巻取りや詰まりの防止に力を発揮します。強力な消臭機能はバキュームカーに顧客ニーズが求める重要要素として各バキュームカー製造業者が力を入れて挙げて高性能な消臭装置を製造しています。ガス燃焼式、軽油燃焼式、オゾン燃焼式等がバキュームカー従来の消臭装置でしたが、ランニングコストやイニシャルコストを重視した、水をミスト状にシャワーリングする機能や次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌と悪臭の軽減など、環境にやさしくクリーンな作業の合理化、効率化を図る設計がされたバキュームカーが多く登場しています。
バキュームカーの使用用途
屎尿の汲み取りで大きな力を発揮するバキュームカーには小型から中型、大型まで多彩なバリエーションがあり、水害時や水道管が破裂した場合等の、汚水、泥水など溢水時にも大きく活躍します。しかし、バキュームカーは作業、運搬時に問題になる悪臭や衛生面について深くとらえておく必要があります。芳香剤で消臭するタイプは購入コストを抑えることができますが、消臭・殺菌効果が制限されてしまうなど、方式による違いで性能にも違いが出てきます。近年流通している、ガス方式やミスト方式などの場合はランニングコストを大幅に削減することが可能で、作業効率やメンテナンス性にも優れています。さらに、吸入した屎尿に対してミスト方式は水に溶解する、ガス燃焼タイプは完全燃焼するため産廃物の処理に困る必要はないなど、それぞれが持つ機能や性能をとらえることで用途の幅が広がります。