穴掘建柱車について
穴掘建柱車は、またの名をポールセッターといい、クレーンブームの先端に掘削用のスクリューを装備した特殊車両です。主に電設の建柱工事や電気工事、通信工事、建物の基礎工事などの土木建設で、掘削・建柱・吊上げ・抜柱といった作業を行います。基本的に穴掘建柱装置以外はクレーン車と同じで、アウトリガーを地面に張り出すことで作業中の安定性を確保しています。また、クレーンの先端のオーガと呼ばれるドリル部分はアタッチメント式になっており、作業を行う場所によって土砂・硬土から凍土・溶岩といった硬い岩盤などの掘削もできるようになっています。2t車~4t車の比較的小さい車両で扱われることが多いのですが、長尺化や大型化が進む現場のニーズに対応し、複数段の伸縮ブームを備えるなど、より効率性に優れた性能をもつ車種も多く出ています。
穴掘建柱車の特徴
穴掘建柱車はクレーン装置の先にアースオーガと呼ばれる掘削スクリューを装備したトラックです。作業時はアウトリガー張り出しで車体を水平に固定し、オーガのスクリューを回転させて地中にねじ込むように穴を掘り下げていきます。伸縮ブーム先端での掘削が可能で、複数の油圧ポンプを用いることで旋回、巻き上げ、穴掘り、旋回のクレーンとオーガの連動作業が可能です。クレーンとして使用することもできる穴掘建柱車は電柱の建植・交換工事の省力化を目的として製造されたことから電柱建植車とも呼ばれています。用途に合わせたアタッチメントを装備することで、建柱工事以外にも電設工事、建設工事、住宅工事など、さまざまな分野で強い威力を発揮します。
穴掘建柱車の使用用途
優れた穴掘り性を有するアースオーガ(掘削ドリル)を用いて油圧の力で地中にすばやく穴を開けていく穴堀建柱機は、クレーンによって大型電柱や大型トランスを持ち上げることができ、建植と交換を1台で行うことができます。他にも、オーガ、バケット、ハンマーなど、多彩なアタッチメントが用意されていますので、様々な地質に対応することが可能で、グラウンド整備、地質調査、地盤改良、岩盤の破壊・掘削等、多彩な分野で活躍できます。最近では、建物や道路などを構築する際に地盤を強くして沈下を防ぐ地盤補強工事や、家等を建てる際に杭の支持力と地盤の支持力で住宅を支えるパイル工法が普及したことにより穴掘建柱車の活躍分野がさらに広がっています。